「ケーブルテレビのインターネットってどうなの?」
専門チャンネルもたくさん見れるし、ネットも使えると聞くと、ケーブルテレビのインターネットってどうなの?と気になりますよね。
でも、ケーブルテレビのインターネットは、本格的にインターネッを使う方にはおすすめできません。
なぜなら、速度が遅く料金も決して安くはないからです。
ケーブルテレビ インターネットの仕組み
ケーブルテレビは、ケーブルテレビ局が大型のアンテナで地上波放送や衛星放送を受信し、光ケーブルや同軸ケーブルを使って契約者に番組を配信しています。
ケーブルテレビ局と中継局までの幹線には光ケーブルを使い、中継局から各家庭までは同軸ケーブルで接続する光ハイブリッド方式が主流です。
ケーブルテレビのインターネットは、テレビ放送に利用している光ファイバーや同軸ケーブルの空いている周波数帯を利用してサービス提供しています。
各家庭では、STB(セットトップボックス)と呼ばれる専用のチューナーを分配機や同軸ケーブルを使ってテレビに接続しますが、分配器や同軸ケーブルはノイズを拾いやすいため、ケーブルテレビのインターネット回線の速度が遅い原因となっています。
一部のエリアではすべて光ケーブルを使って配線している例もありますが、かなりのコスト負担となるため、ケーブルテレビのインターネット回線は、光ハイブリッド方式が主流です。
ケーブルテレビのインターネットのメリット
ケーブルテレビ対応の賃貸住宅なら実質無料の場合も
アパートやマンションなどの賃貸住宅では、ケーブルテレビが視聴可能な点を売りにした物件もあります。
こうした物件では、ケーブルテレビの利用料金は、家賃や管理費、共益費に含まれているケースが多く、ケーブルテレビのインターネットも実質無料で利用できることになります。
ケーブルテレビのインターネットのデメリット
ケーブルテレビのインターネットは速度が遅い
ケーブルテレビのインターネットの最大のデメリットは速度が遅いことです。
ケーブルテレビのインターネットと光回線の速度を比較してみましょう。
回線の種類 | ケーブルテレビ | 光回線 | ||
サービス名 | ||||
下り最大速度 | 320Mbps | 200Mbps | 1Gbps | 10Gbps |
上り最大速度 | 10Mbps | 20Mbps | 1Gbps | 10Gbps |
下り速度は、Webサイトの閲覧や、動画視聴などの際にインターネットから送られてくる信号の速度を表します。
下り速度で比較してみると、ケーブルテレビは、10Gbpsの光回線と比較すると30分の1程度です。
メールの送信や動画や画像をSNS上にアップロードする際の速度を表す上りの速度を比較すると、ケーブルテレビのインターネットは、なんと500分の1でしかありません。
この速度では、家族の誰かがSNSに写真や動画のアップロードをすると、他の人はネットを使えなくなってしまいます。
上りの回線速度が速いほど、サーバーにアクセスする際に快適になります。
そのため、自宅で会社のサーバーにアクセスして仕事をする人や、オンラインゲームを楽しみたい人には、上りの速度が極端に遅いケーブルテレビのインターネットはおすすめできません
上りの速度(アップロード)が極端に遅い理由
ケーブルテレビの回線には、同軸ケーブルが使われていますが、同軸ケーブルや分配器は接続不良や断線、故障、劣化するとノイズを拾いやすくなります。
また、ケーブルテレビは、各幹線から枝分かれして複数の加入者につながるツリー型のネットワーク構成をとっています。
そのため、加入者側でノイズや障害が発生すると、上りの回線を通じてノイズが幹線へ集中することになり、速度低下の大きな原因となります。
ケーブルテレビのインターネットの上りの速度が極端に遅いのは、こうした事情によるものです。
ケーブルテレビのインターネットは料金が高い
ケーブルテレビのインターネットは、ネット単独で契約することもできますが、テレビとのセット料金の方が安くなります。
最大手のJ:COMの料金を確認してみると、テレビ37chと320Mbpsのネットとのセットのプラン「スマートお得セレクト NET320M」が4ヶ月間は3,500円、6ヶ月目以降は5,937円です。
ネット320Mbpsの単独契約の場合、月額料金は6,180円です。
光回線は、NTTのフレッツ光の場合、1Gbpsの速度が出てプロバイダ利用料込で2年契約で5,200円です。
ドコモ光や、OCN光など光コラボ経由で申し込めば、3,500円~4,500円程度で利用可能です。
ケーブルテレビのインターネットは、光回線と比べて速度が遅いのに料金も安くはないのでおすすめできません。
ケーブルテレビのインターネットよりも光回線がおすすめ
ネット回線のデータ量のことをトラフィックと呼びますが、トラフィックが現在ほど多くなかった2010年ころまでは、ケーブルテレビのインターネット回線でも速度は十分でした。
しかし、スマートフォンや動画配信サービスの普及により、インターネットのトラフィックは爆発的に増大しました。
今後もインターネット回線のトラフィックは、4K、8Kなどの高画質動画が一般的になるにつれて、どんどん増えていくでしょう。
ケーブルテレビのインターネットは、こうした時代の流れに追い付いていないと言わざるを得ません。
インターネットを使ってオンラインゲームや高画質の動画も楽しみたいという方や、インターネットを使って仕事をしているといった、回線の安定性やある程度の速度も必要だという場合は、光回線を契約しましょう。
マンションタイプの光回線は棟内配線により速度が遅くなることも
速度の速さと安定性でおすすめの光回線ですが、マンションタイプの光回線は棟内の配線方式によっては、ケーブルテレビのインターネットよりも下りの速度が遅くなります。
電柱からマンション内の共用スペースまで光回線を引き込む点では同じですが、共有スペースから各戸までの配線方法は、建物の構造や配管の状況により、光配線方式、LAN配線方式、VDSL方式のいずれかが採用されます。
光配線方式は、マンション内の各戸まで光ケーブルで配線されるため、上り下り共に速度は1Gbpsと高速です。
しかし、LAN配線方式は共有スペースから各戸まではLANケーブルで接続し、VDSL方式は電話回線で接続します。
そのため、LAN配線方式とVDSL方式は、上りと下りの速度は最大100Mbpsになります。
ケーブルテレビのインターネットの速度は、下りが最大320Mbps、上りが最大10Mbpsですので、上りの速度は光回線のLAN配線方式、VDSL方式の方が速くなりますが、下りの速度はケーブルテレビの方が理論上の速度は早くなります。
しかし、光回線は1本の光ケーブルを最大32分岐とされていますが、ケーブルテレビのインターネットは「少数の加入者で分岐」としか記載されておらず、分岐数は公表されていません。
また、光回線は加入者数の増加に対応して、次世代通信規格の「iPv6」を採用するなど実測値の速度では光回線の方が速い傾向にあります。
料金面でも光回線の方が安くなりますので、マンションにお住まいの方でもケーブルテレビのインターネットよりも光回線がおすすめです。
ケーブルテレビのインターネットは光回線が引けない人の選択肢
ケーブルテレビのインターネットは、インターネットの回線として光回線と比較すると、料金も割高で速度も特に上りが遅いため、どうしても見劣り
してしまいます。
しかし、光回線がエリア外でケーブルテレビのインターネットを選ぶしかないという方や、賃貸住宅でケーブルテレビのインターネットの利用料が家賃や管理費共益費に含まれているという方は、ケーブルテレビのインターネットを使ってもいいでしょう。
また、地方にお住まいの方には、ケーブルテレビに加入することで、視聴可能な地上波のチャンネル数を増やしたいという方もいらっしゃるでしょう。
そんな方でネットを使うのは、メールの送受信とWebサイトの閲覧くらいで動画や画像のアップロードはやらないという方なら、ケーブルテレビのインターネットを検討しましょう。